2月11日。

久しぶりに、のんびりと、家でテレビを見ていました。

この日は祝日ですが、月曜日。

テレビでは、昼ドラマやワイドショーなど、平日と同じ番組を放送していました。

 

ふと見た昼ドラマ。

どうやら、弁護士事務所が舞台で、主人公の修習生を中心に、ほかの修習生や弁護士達との人間模様を描いたドラマという感じ。

 

とある女性修習生：「『修習所』に、この書類を出しておいてください。」

 

←わたしのこころの中：「『修習所』じゃなくて、『研修所』だし！！」

 

ドラマが終わると、次の時間帯はワイドショーに。

芸能人の泥沼離婚が特集されていました。

 

とある女性芸能人が、夫から言葉の暴力があって、慰謝料5億円はもらわないと！と言っているとか、いないとか。

 

←わたしのこころの中：「夫からの言葉の暴力の有無と程度は、どう立証するのかなあ。録音とかしてるのかなあ。」

「今後の生活のことを考えて、5億円を支払って欲しいとなったら、夫の年商が100億円っていうなら、慰謝料で請求する方法より、財産分与で請求するのもアリじゃないかなあ。」

 

別の女性芸能人。

夫から殴られたとのこと。怪我したときの写真をブログで公開したことで話題に。もうすぐ調停をやるとのこと。DVについて、日記などの記録も残しているそうです。

 

←わたしのこころの中：「写真や日記とか、ちゃんと記録残しているなんて、大したもんだねえ！調停が成立しなくて、訴訟になる可能性も見通しているのかねえ。」

 

・・・って、せっかくの休みなのに、気が休まらない！！！（笑）

 

弁護士になる前は、ドラマを見ても、せいぜい「こんな崖なのに、警察が来るの、早いなあ」といったツッコミ程度でしたが（笑）。

弁護士になってからは、刑事ドラマや弁護士ドラマなど、「実際は、そんなじゃないよ！」とツッコミどころが満載、ということも多いです。

逆に、超マニアックなところも忠実に再現されたりしていると「こんなところがリアルに再現されているなんて！」と思ったり。

何かと気になってしまいます。

また、芸能人の離婚ネタも、自分が担当弁護士だったら、どう構成するかなあとか、どんな証拠があるのかなあ、とか、裁判所はどう判断するのかなあとか、考えてしまいます。

 

まさしく、職業病。

 

そういえば、外食業界で働いている人も、家族と外食していても、「この材料だと、原価このくらいかなあ」などと考えてしまい、純粋には楽しめない、とおっしゃっていました。

ある分野を知り過ぎちゃうと、純粋に楽しめないというデメリットはあるのかもしれません。

 

ただ、わたしからすると、弁護士ドラマとか、芸能人の離婚ネタは、ちょっとした頭のトレーニングになります。

また、みなさんにお話しするときに、イメージしやすいように、「ドラマでこういう場面見るじゃないですかあ」とか、「芸能人の○○さんの話じゃないですが・・・」と話すこともあります。

 

弁護士は、法律や裁判の世界どっぷりで生活しているので、ぼーとしていると、ほかの世界で生きている人の感覚を失ってしまいそうな気がしています。

でも、相談者・依頼者のほとんどは、今まで、法律や裁判の世界とは無縁に生きてきたという方。

弁護士としては、特に離婚問題では、法律や裁判どっぷりの世界とは違う日常生活を送る中で、こういう場面では、こんな気持ちになるよなあという実感や感性を忘れてはいけないと思うのです。

そのうえで、感情の対立があって収拾つかなくなったときに登場するのが、法律・裁判の世界であること、そして、法律や裁判の独特の世界がどうなっているのか、ということをお話した方が良いのではないかと、わたしは思っています。

 

そんなわけで、わたしは、意識的に、法律に関係ないことも勉強したり、家事とか趣味とか色々なことをするように気をつけています。

わたし個人としても、仕事ばかりに偏ると、心身共にくたびれてくるので、全然別なことをすると、バランスが取れるというか、リフレッシュできて、また元気になれるように思います。

 

なので、どうか、このブログを見て

「弁護士なのに、家でだらだらテレビ見て、けしからん！！！悪魔」

などと思わないでくださると、うれしいなあと思います（笑）。