夫から殴られた!
もう耐えられない!
離婚したい!
このように、
夫からの暴力で悩み、離婚を考えている女性もいらっしゃるかもしれません…。
今回は、離婚理由(離婚原因)のうち、「暴力」についてお話いたします。
広い意味では、「暴力」には、身体的暴力だけではなく、言葉の暴力・精神的暴力や経済的支配なども含むのですが。
今回は、「暴力」=身体的暴力、という意味でお話したいと思います。
暴力は、生命・身体を危険にさらすもの。相手の人格すら否定するもの。
言語道断です!
そのため、暴力は、民法が定める離婚原因の1つである「その他婚姻を継続し難い重大な事由」(770条1項5号)として、離婚原因になります。
ここで、重要になってくるのが、
暴力があったことを裏付ける証拠を確保しておくことです。
どんな離婚理由であっても、離婚訴訟一般に、証拠の確保は大事なのですが…
離婚訴訟の中で、暴力が問題になる場合。
よその大人が目撃しているのに、夫が妻に暴力を振るった!なんてことは、滅多にありません。
夫と妻しかいない。せいぜい、他に誰かいても、幼い子どもだけ。
そんな場面であることが、圧倒的多数です。
そして、
いざ離婚訴訟となると、
妻は「夫から殴られた」と主張する。
他方で、夫は「そんなことしていない。」と主張する。
暴力があったかどうかというところで、双方の言い分が、真っ向から食い違う!
ということも、少なくありません。
そのため、特に離婚理由が暴力の場合には、証拠の確保の重要性が増します。
離婚訴訟で登場することが多い証拠としては
●暴力による怪我の写真
●病院の診断書
●日記やメモ
●暴力を振るっている間の怒鳴り声を録音したもの
●暴力によって壊された物の写真
などなど。
このように
暴力は、「その他婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項5号)として離婚原因になる。
そして、
暴力があったことを裏付ける証拠を確保しておくことが大事!
ということを、まずは、頭に入れておきましょう