20歳になって間もないころ。 当時、悩み事があって、1人もんもんとしていました。
それでも、「もう20歳になって、成人したんだから、このくらい1人で解決しないと!」
なんて、片意地をはって、誰にも相談せず・・・。
でも、そうは言っても、19歳から誕生日を迎えただけで、
急に何でもかんでも対応できるスーパーウーマンに変身!!!
なんて、ことは、あるはずがなく(笑)
1人悩む日々は続きました・・・
そんなある日の夜。
お風呂に入っていたら、もう耐え切れなくなって、自然と涙が出てきました。
一旦涙が出始めると、次から次から、ぽろぽろ、ぽろぽろ。
涙が止まらなくなって、そのまま、わんわん泣きました。
「わーん!!!」
涙がおさまってみると・・・なんとも不思議な爽快感
今まで自分の中にあった黒いもやもやが流れ落ちて、どこかに行ってしまったような。
体はちょっぴりけだるいけれど、こころは妙なすっきり感。
運動して、たっぷり汗をかいた後に、すごく似た感覚。
さて。
女性から離婚相談を受けていると、相談途中で、女性相談者の方が、はらはらと涙を流し始めることがあります。
こんな場面になると、男性弁護士は、思わず、「泣かないで」などと言ってしまうそうです。
真意までは聞いたわけではありませんが。
わたしの勝手な想像では、
男性弁護士は、小さいころから、「男性は女性を泣かしちゃいけない。」と教育を受けてきた人が多いのではないかと思います。
そのため、女性相談者が目の前で泣き始めると、無意識に「自分が悪いこと言ったかな?」と考えてしまって、少し動揺してしまうのかもしれないなあと思います。
わたしの場合、どう対応しているかというと
女性相談者が離婚相談中に泣き出したときには
女性相談者の手が届きやすいところにティッシュを移動させてあげます。
それ以外は、まるで何も無かったかのように、フツーに話し続けます。
これは、決して、わたしが血も涙もない人間だというわけではありません(笑)
むしろ、自分が20歳の時に、「涙の効用」を実体験したからです。
わたしの弁護士としてのモットーは、「法律問題の解決を通じて、こころの重荷も軽くするお手伝いをすること。」
離婚相談中、女性相談者の方は、
「これから、どうしたら良いのかしら・・・」という迷いや不安でいっぱいだったり。
旦那さんからの仕打ちを思い出して、当時のツライ気持ちが蘇ってしまったり。
または、お子さんのことを想って胸が詰まったり…。
きっと、女性相談者の方は、相談中、話している内に、いろいろな感情がわきあがって、こころの中では、重いもやもやに包まれているんじゃないかと思います。
そして、もやもやを内に秘めるのに限界が来たときに、涙が出てくるのでしょう。
わたしが20歳のころ、思い切り泣いた後には、こころの中の黒い重いもやもやが消える感覚で、すっきりできました。
「同じように、離婚相談中の涙は、きっと、女性相談者のこころの黒い重いもやもやも流し去ってくれるんじゃないかな。
こころの重荷を軽くする手伝いをしたいというわたしにとっても、本望だわ 」
・・・と思っているからなんです。
ちなみに、今まで、わたしは自分の経験した感覚から、このように対応してきましたが、脳科学的にも、涙がストレスを消す効用があるらしいです。
最近読んだ「脳からストレスを消す技術」(有田秀穂著、サンマーク出版)に紹介されていました。
ストレスが溜まると交感神経が過剰に興奮。
リラックスするには、副交感神経が活発な状態にスイッチを切り替える必要があるそうです。
じゃあ、交感神経モードから副交感神経モードにスイッチを切り替える方法とは??
手っ取り早い手段は、寝ることだそうです。
ただ、すぐに寝られる状態とは限りませんよね。
では、起きた状態でスイッチを切り替える方法は??
それが、涙を流すこと
とのことです。
(涙の効果以外にも、ストレスをうまく消せるようになる方法や、脳の仕組みについて説明されています。興味がある方は一読してみてくださいね☆)
離婚相談中、今までの夫婦間の出来事を思い出して心が揺れ動いたり、これからのことに不安になったり。
女性相談者の方の交感神経も、過剰に興奮状態になって、ストレスフルな状態になっているのかもしれません。
リラックスするため・・・といっても、相談者が急に寝出したら、さすがのわたしも、びっくり仰天しますが(笑)
寝るのと同じようなリラックス効用がある涙。
それだったら、離婚相談中であっても、女性相談者の涙が流れるのを、自然に止まる時が来るまで、そのまま優しく見守っていよう・・・
改めて、そう思った次第です。