養育費や婚姻費用(生活費)の金額を決めるにあたっては、
裁判所が、金額の目安を表にしたもの(「算定表」と呼ばれています。)を作っていて、この金額を目安に決めることが多いです。
このあたりは、(「婚姻費用」の項目がなくて、我ながらびっくり(゜Д゜)してるけど)
「離婚の基礎知識」ページ、「養育費」項目で、「養育費を請求するには」という解説のうち「養育費の金額」というところに説明があるので、ご参照いただければと。
で。
現在、裁判所で使われている「算定表」は、たしか、15年くらい前に作られたもので。
(やすえり弁護士登録前なので、時期は、若干うろ覚えですが。正確なところを調べる手間も惜しむっていうね。悪いやっちゃ。)
算定表は、このくらいの収入のひとは、このくらいの生活費などがかかっているはず、という統計などを元に製作されているわけですが。
いまや、携帯1つとっても、日常生活の必需品になり、通信費とか、ぐんとかかっているわけで。
でも、算定表が元にしている統計は、もちろん、スティーブ・ジョブズがiPhoneをこの世に発表する前の統計を使っているっていうね(笑)
生活費にかかるものも、だいぶ変化しているであろうことは、肌感覚でもわかるわけです。
そんな中。
弁護士会(日弁連)が、この算定表を元に養育費などを決定するけれど、この金額が安すぎて、実際の生活は回らない!
ひとり親家庭の貧困化の要因の1つになっているっ!
ベースにしている統計も、古すぎて、現在の生活を反映しとらん!
そのほかも、計算方法など、おかしいところがあるぞ!
という運動を展開していました。
3年くらい前(2016年ころ。ここは、ちょっと調べたから、大丈夫なはず笑)に、日弁連独自の算定表(「新算定表」とチマタでは呼ばれた。)を発表したりしました。
当時は、ネットニュースなどでも紹介されたので、チラッと見たことがある方もいらっしゃるかもしれません。
この頃、離婚相談の中でも、新算定表ってどうなんですか?って、お客様からも何回か質問されたことを記憶しています。
でも、なかなか、裁判所が、自分自身が作ったものじゃなくて、日弁連が作ったものを、「まあそれはいいですね!早速採用しましょう♪」な~んて、言わないだろう。
というのは、まあ、容易に予想がつくところで。
しかも、実にイタかったのが、日弁連が作った算定表、大々的に発表したのに、後になって、肝心の金額の数字に誤記が大量に見つかってしまうという痛恨のミス!!!(^^;)
そのため、日弁連が作った算定表自体は、すっかり世間の話題から消失してしまいました・・・ざんねん。
とはいえ!
その後、裁判所が、統計が古いことは確かだ、ということで、重い腰(?!)をあげて、算定表の見直しをすることにした、という発表がなされたのです!!!
こりゃ、画期的☆
最終的には痛恨のミスの結果、たしょうイタイ結果になったけど(言い方ヒドイね)、日弁連が声をあげて運動をしたことは、裁判所で見直しプロジェクトを発足させるに至らしめたというだけでも、十分功績があったのかな~なんて思いを馳せたものです。
裁判所内で、算定表見直しプロジェクトは発足したはずなのに、一体、いつ公表されるのか?
あまりに音沙汰無いから、フェイドアウトしたのか?(^^;)と、少し危惧していたところ・・・
(わたしが、ニュースとかマメにチェックしていなかっただけかもしれないけれど。)
先月(11月)、急に、12月23日、新しい算定表を公表しま~す!と、裁判所から発表が!!!
裁判所ホームページ「平成30年度司法研究報告(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の公表予定について」という記事です。
運動のきっかけとなった日弁連のコンセプトとしては、ひとり親家庭の貧困化という背景があったものの。
今のところ、裁判所がホームページで公表した内容だけからは、「基礎となる統計資料の更新をした」ということが、今回の見直しの中心になっているようで。
大きな計算方法の変更はないのかなという気もするし。
もらう側の生活費水準も上がっていそうだけど、払う側の生活費水準も上がっているかもって気もするし。
従来よりも、金額が上がるのか、はたまた下がるのか、なんだかんだでほぼ現状維持なのか・・・。
フタを開けてみないことにはわからないという・・・(>_<)
女性側ばかりの離婚相談を担当していて、日頃、養育費や、婚姻費用をもらう立場の女性の代理人が多いやすえり弁護士としては、
「上がれー上がれ-」(ノ´∀`)ノ
と念を送っていますが(笑)。
一体、どうなることやら。
ヒヤヒヤ。
ドキドキもんです。
ここ最近のやすえり弁護士の離婚相談では、婚姻費用や養育費の金額の目安は、相変わらず頻出で質問が出るのですが、
一応、12月23日に変更になることも話題にしつつ、いまの算定表だったら、だいたいこのくらいかな~ってことで、婚姻費用や養育費の金額目安を説明しています。
(時間に余裕があると、前述のような、やすえり弁護士が知る限りの経緯に関するうんちくも聞かされる羽目になります。笑)
ほんと、どうなるんでしょうね。
あと残り10日を切りました。
ひとまず、婚姻費用や養育費をもらう立場の女性は、やすえり弁護士と一緒に
上がれー!(ノ´∀`)ノ
上がれー!(≧▽≦)
と、お祈りでも捧げることにいたしましょうか・・・
12月相談枠は残り僅かです。
ご了承くださいm(_ _)m
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